睦月

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●2004年1月26日
今、工房に大きな欅の一枚板が横たわっている。お客さんから材料支給で製作を依頼された座卓の材料である。 よく木工家が「何百年も生きた木を加工するのだから、気が引き締まります」などと言っているが、ワシはただただ 「こんなに重いもの、どうやって加工しよう?」とそればかりが思案の対象である。助手など雇う余裕はないし、 雇っても、材料を移動する時のほんのちょっとの時間しか必要ないので、やはり一人でやるのがよさそうだ。
相当な期間寝かせてあったようで、完全に乾燥し、色もあせているが、ひと皮むけばきれいな欅の黄色と強烈な香気が漂うだろう。 気が引き締まるよりも、楽しみの方が大きいかも。

●2004年1月19日

このところ雪が続いてようやく冬らしくなった。雪国の人には失礼かもしれないけど、工房から雪景色を眺めながら作業を するのもなかなか乙である。山奥で黙々と作業をしていると、都会のサラリーマン時代がふと思い起こされ、 「ワシも随分変身したなぁ」とつくづく思うのである。

●2004年1月16日

やっぱり奥多摩は寒い。暖冬だ、などと言ってもやっぱり寒い。鉋の刃を研ごうと思ったら、水に浸けておいた砥石 が凍っていた。当然水道も凍っている。工房は日当たりはいいのだが、中はやはり寒い。夢中になって作業していると、 いつの間にか体の芯から冷えていたりする。春を夢見てがんばろう!(いろいろな意味で)

●2004年1月8日

皆さん明けましておめでとうございます。
年末年始は、実家、友人宅巡りで大いに飲んで食べました。世の中の大半の人がそうでしょうが、肥えました。 親というものはありがたいもので、脱サラしこのような道を選んだ私どもが、いまだ一人前に食えていないと心配なのでしょう (実際食えてないかも・・)、この歳になってもまだお年玉をくれようとします。欲しいのはやまやまですが、やはり男の矜持として 断ります。
今年は『エミケン』飛躍の年にしたいと考えております。飛躍と言ってもやるべき事はコツコツ物を作り続けることなのですが。 わき目をふらず、欲張らず、色気を出さず、まず作る。作って作って作りまくる。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。


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