「エミケン木工教室 第三話」
『閲覧室』製作進捗状況。まずやらなくてはいけない作業が『エミ部門資材置場』作りだった。今まで資材が置いてあった
四畳半を空にしなくてはならないのだ。しかしこれは容易な作業ではない。まずは移転先を決めなければならない。
「屋根裏は?」「狭いよ」。「高床和室三畳は?」「ダメダメ!」。そして決まった場所が工房内北西角に以前作った高床だ。
ここには古箪笥やワシのお宝(ガラクタ)が置いてある二畳の空間である。問題はこの場所はかなり木粉だらけになることだった。
すでに古箪笥たちは真っ白になっている。これでは資材置き場にならない。壁と棚を作り照明を付ける作戦をたてた。
そしてワシは数日間定時後21時過ぎまで作業し、今日『エミ部門資材置場』が完成した。これからいよいよ『閲覧室』に着手である。
請うご期待!!
●2005年10月27日
ワシの好きな言葉の一つに「紺屋の白袴」がある。「藍染職人が、忙しさのあまり自分の袴も染められない」
様を言っている。自分が作り手になってみて、よーく解った。以前は「自分の家は全部、自分の作品で埋め尽くしたい」とも
思ったが、そんなもの作ってる暇はまるでない。両親に頼まれている脇棚(sideboard)でさえ二年くらい待たせている。
仕事で忙しいのは結構なことだ。そういう意味で好きであるのと同時にこの格言に込められた、「職人の覚悟」みたいなものが
とても好きなのだ。「ボロは着てても心は錦」「武士は食わねど高楊枝」「欲しがりません勝つまでは」などに通じる「滅私の美学」
を感じるからだろうか?要はマゾですな。●2005年10月25日
『コンテナ・ギャラリー』閉店しました・・・。かなり労働力を提供していただけに「悲しみトゥーヤング」。
『珈琲屋・街道店』自体の閉店なので、いたし方ありません。『珈琲屋』さんも苦渋の決断だったようです。
でもおかげで色々勉強させてもらいました。足をお運びくださった方々、これから行こうと思ってた方々、ありがとうございました。
そしてすいません。●2005年10月20日
「エミ部門」。なにやら活動しているようです。エミ氏、とうとう我慢しきれず動き出しました。なんと、人を使っているではないか!!
お、おや!?しかもミシンを駆っているのは ノペ子 ではないか!!「必要は発明の母」とエジソンも言っていたっけな
(これホント)。そうか。そういう作戦にでましたか。いいね。デザイン・フェスタも近いことだし。
ノペ子は細かい作業がやたら得意だし。あっ!!デザフェス!!!もうそんな時期か。何も戦略を練っていない。忙しすぎて
そんな暇がない・・・。ようしこうなったらワシも最後の手段。「尻に火がつくまでほっておく」作戦だ!この作戦は多分に危険を
伴うが、今までだいたい成功している。今回もなんとかなるだろう。
●2005年10月17日
小平市まで納品に行ってきた。5月の≪くらし・うれしい・モノ・マーケット≫で『エミケン』の作風を気に入っていただいた方
からのご依頼で、ご自宅用の<テレビ台>を製作させて
いただいた。大きな液晶テレビとその他機器類が収まり、掃除などがしやすいように車輪付。しかしこのテレビの重いこと。
薄型だから軽いように見えたがさにあらず。実はこんなに重いんだね。こちらのお宅は実に物が少なく、部屋がすっきりしているので、
どんな意匠でも引き立つよう思えた。明るい印象の部屋に、ウォールナットのテレビ台がビシッと視的力点を与えていた。
テレビ台がない時は床に直接テレビを置いていて、これもとてもかっこよかったのだが、裏面の配線が丸見えなのが難点だった。
話はそれるがこの配線というものはホント厄介だ。ハイテクと言いつつも裏を見ると極太コードがとぐろを巻いている。
最新機器が増えるにつれとぐろも増える。パソコンの後ろ側など大変なことになっている。ワシも以前は最先端の防衛機器を設計
していたが、いつも星の数ほどもある配線の処理に悩まされていた。このトグロを解消できたら大革命だと思う。
最先端の技術者の方。がんばってください。と言うことで、配線とか形のゴチャゴチャした物とか色使いが滅茶苦茶というのは、
思いの他空間の邪魔をする要素なので、それを隠したり統一したりする工夫をちょと凝らすと、物があっても劇的に空間はサッパリする。
どうぞお試しあれ。●2005年10月12日
海洋カメラマンの 杉森雄幸 氏が来房してくれた。実は大学時代のスキューバダイビング部の後輩なのである。
三年ほど前、小笠原に行った際、久々にフェリーで出会い、海洋カメラマンになったことを知った。ワシも学生時代はダイビング三昧で、
ガイドのアルバイトをして日々充実していたが、仕事にしようとまでは思わなかった。しかし、氏はしてしまったんだなぁ。凄い!
楽な商売ではないだろうけど「楽しくてしょうがない」と言っていた。特に氏は鯨の撮影を畢生(ひっせい)の仕事(lifework)
としている。今後も素晴らしい写真を楽しみにしております。●2005年10月9日
またまた木工ネタ。「板接ぎ(いたはぎ)」の図です。板を接ぐ、すなわち、板をつないでいるのである。食卓の天板など、
幅広の材料が必要なとき、こうやって板接ぎをして材料を作るのである。もちろん「一枚板」も買えばある。
しかし、600mm以上ともなるとかなり高価になってくる。稀に「それでもいい」というお客様もいるが、稀である。普通は経済のために
150mm〜300mm巾程度の普通の価格の材料を接いで使うことになる。これはこれで、木目を工夫すれば、つなぎ目は分かりにくくなる。
つなぎ目がハッキリ判っても、結構「あじ」があるものである。ワシは好きである。●2005年10月7日
どこの木工所も製材所も同じ悩みを抱えているだろう。とくに『エミケン』のような個人経営のところは。
木材を加工する際に出る木屑の処分方法を。木屑だって元を正せば、購入した木材。財産だ。
しかし、悲しいことに仕事をすればするほど木屑は出る。木屑が多い所は仕事が多いところ。木屑の量はその工場の景気の
気圧計(barometer)。最近『エミケン』はにわかに忙しい。「チビタ特需」と呼んでいる。ただ単に働き手が50%削除されたために、
負荷が増えただけなのだが・・・。とにかく木屑が多い。今までは90Lのゴミ袋に小分けして、ちょとづつ燃えるゴミに出していた。
かなりカッタルい作業だ。たまに近所の畑をやってる人が畑にまいてくれた。しかし根本的な解決策はなく、いつも頭を悩ませる事の
ひとつになっている。(ふー。前置きが長くなった)●2005年10月2日
たまには木工らしいことも書かなければね。只今製作中の<食卓60×120>の脚と幕板(という部品)の接合部です。どう?箱根細工
みたいでしょう。いや、箱根細工はこんなに簡単ではないね。スイマセン。この食卓は幕板だけで脚の強度をもたせる意匠なので、
この部分はしっかりしていないといけない。幕板の巾を広くすれば当然強度は上がるのだが、食卓という性格上限度があるし、意匠も野暮
になる。そこで限られた条件で強度を上げるためにこんな仕口(接合部のこと)になっている。
脚のホゾ穴に両側からホゾを差し込むのだが、できるだけ深く差し込むため、先端を留(トメ:45度のこと)にしてある。
これだけでは心もとないので、隅木(スミキ)という幕板と脚を接合する部品をさらに取り付ける。
外観をスッキリさせる事と強度を確保することは相反することなので、こんな風に隠れたところで工夫をしているんですねぇ。