卯月

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●2006年4月27日 彼の工場
『HIS-FACTORY』の独自銘柄(オリジナル・ブランド) [Slow Motion][LAULOA]の閲覧室開店の宴(ショールーム・オープニング・パーティー)に行ってきた。 代表中野氏、宿願の夢の第一歩だ。素敵な店舗が出来上がっていた。商品はどれも男心をくすぐる。極上の分厚い革を、極太の糸で 縫い上げた旅行鞄(ボストン・バッグ)はヨダレ物。いつかは欲しい逸品だ。長年この業界に身を置き蓄積された経験が いかんなく製品に反映されている。ようやく世に出た品々と言っていいだろう。
夢は容易にはかなわない。ワシもしっかり下積みし、いつか必ず夢を噴出させるのだ!中野さん。おめでとうございます!!
(写真左:中野氏 右:変なオジサン)

●2006年4月23日 一年が長く感じた一年

我が愚息が本日一歳になった。最近のクセで「いやー、一年早かったぁ」とつい口から突いて出たが、よく考えるとこの一年は 長かった気がする。エミ氏もそう言っている。振り返れば振り返るほどあれこれ思い出されてくる。盛りだくさんだ。 これだけ内容が濃いと「一年は長く感じる」のだな。チビタのおかげでこの一年は得をしたようだ。
とにかくおめでとう。(写真の洋菓子はエミ氏作)

●2006年4月22日 感性

夕方から恵比須でお客様と打合せがあるので、昼から江戸に出た。ちなみに我家では都内の雑貨屋や室内装飾店(インテリアショップ) を巡る事を「ハイキング」と呼ぶ。更に、車で都内に出かけ飲んでしまった時など、小銭駐車場に停め車中で宿泊するのだが、 これを我家では「オートキャンプ」と呼ぶ。
話がそれたが、写真機を持って江戸をブラつくのは非常に楽しい。主に店舗の写真を撮る。ホント、皆発想が豊かだ。 間口一、二間程しかないホントに狭い建物でも、見事にそこだけ異空間に変身させている。ハワイになってたり、 メキシコになってたり、廃屋風になっていたり・・・。自分たちで手作りしている店も多く、よーく見ると乱暴な作りであったりするが、 そんな事はまったく関係ない。要は「雰囲気」なのだ。
家具を作っていて常々思う。技術も大事だが最も重要なのは「感性(センス)」だな、と。その感性には「この加工はこの機械で やったほうがいいね」などの技術的感性や、「天板の厚さはもう少し薄い方がスッキリするなぁ」という意匠的感性、 または「こんな商品は今の世の中受け入れられない」などの大局を見極める感性などなど・・。感性とは多岐に渡るように思う。 どんな分野でもそうだと思うが、特にクリエイティヴ・・あ、いけね、創造的な商売には総合的な感性、判断力が必要になってくる。 つまり人間的豊かさ魅力を磨かなければいけないのだ。・・・だんだん話がおかしな方向に向かってきたぞ。 そのためには山の中で黙々と家具を作っているだけじゃダメなのだ。文学を読んだり、名画を見たり、歌舞伎を見たり、人と歓談したり ・・。
終わりが見えそうにないので、本日はこれにてドロン!

●2006年4月20日 無垢材とは女心と見つけたり

現在製作中の<四方棚>。「木取り」を終わり「慣らし」中の図。無垢材は常に動く事を念頭に作業しなければならない。 仕入れた板の状態で落ち着いたように見えても、木取りのために細かく刻むと、再び動き出す。 製品になってから動かれたのではたまらないから、こうやって木取りの段階で動きたいだけ動かす。だから木取りは図面寸法より やや余裕を見てある。最低でも一週間こうやって寝かす。それでも製品になってからもやはり動くんだけど・・。
これから湿度の上がる季節が来る。無垢家具屋にとってはいい季節である(ワシだけかな?)。 引き出しの仕込などが格段に楽になるのだ。何故って?この時季仕込んだ引き出しはこれ以上膨らまないから、きつくなる心配が ない。逆に冬に仕込む時は、夏膨脹する事を考慮しゆるめに仕込まなければいけない。かと言ってガッタガタの引き出しを作るのは 家具屋の矜持(きょうじ)が許さない。難しいところなのだ。

●2006年4月18日 C-349

近づいてまいりました <デザイン・フェスタ vol.23>。ブース番号が決まった。 C-349 です。 角ブースではあるが、壁側なので客の目を引くのが少々難しそう。しかし反面、実質壁までを占領していいとも言える。 デカイの持って行っちゃおうかな?陽気もよい時季ですので、皆様お誘い合わせの上ご来場ください。 運動靴と背嚢(はいのう)がお勧めです。
詳細は当家頁の表紙、または→コチラ

●2006年4月14日 ドヒャ ナンダー

ちょいとビックリ。先日家頁大改造後、毎日問い合わせがある。本当にビックリしている。おかげで本日は一日「見積り日」。 体調もまだ本調子でないので事務仕事が丁度よい。今日は三件の見積りをさせていただいた。さすがに頭がゴチャゴチャになる。 おまけに机もゴチャゴチャだ。ちなみにドイツ語でゴチャゴチャのことを「ドヒャ ナンダー」と言う。凄い通じるではないか。 これを知った時、ワシはしばらくこの言葉を使いまくった。相手のドイツ人も「ゴチャゴチャ」という語感が大いに気に入り、 速攻で使っていた。言葉なんて感極まって口から出るものだから、なんとなく通じるものがあるんだろうね。
すごいずれた・・。で、本邦初後悔・・・本邦初公開!「ケン部門 大半畳事務机!!」
ここから『エミケン』の家具が考え出されていたのです!ワシも「よくやる」と思うが、平気なもんですな。 右手の柱なんて物凄く邪魔だけど、ここに頭をガンガンぶつけるといい案が出るのです。お客様宅に納品に伺い、ご主人の夢の 書斎などを見せ付けられるとヨダレが出る。ワシもいつか・・ワシもいつかーっ!!!

●2006年4月13日 鬼の霍乱

先週7日の夜、仕事を終え家に帰りチビタと遊んでいると、突然腹の不快感に襲われた。そしてそのまま21時頃倒れるように布団に入る。
翌朝猛烈な腹痛と倦怠感に襲われる。「また急性胃炎か?」と思ったがそうでもないらしい。エミ氏は病院に行け行けというが、 ワシはそれをノラリクラリとかわす。無類の病院と薬嫌いだ。一日起きられず、食事も出来なかった。
翌日、今度はひどい頭痛も加わった。熱もある。こうなると何がなんだか分からない。意識朦朧ってやつだ。 「日曜日は病院やってないよ」とかわす。
翌10日。腹の痛みは収まったようで、粥をすすることができた。美味かった。体重3kg減。ワシの理想体重である。頭はまだ痛し。 鼻水の症状が加わる。鼻をかみすぎ鼻が痛い。少し起きるととたんに調子が悪くなるので、この日も一日布団の中。
翌日、鼻水さらに激しさを増す。のどに激痛。白い出来物ができている。腹はほぼ復活したが大事をとって一日粥食。多少起き続ける事が できたので家頁を大改造。といってもハタ目にはよく分からない。「検索に引っかかりやすくする」ことを目標とした地味で、膨大だが 大事な作業だ。寝ている間、良案が次々と湧いてき、このままでは頭が破裂しそうだった。あまり根を詰めすぎ、夜また体調悪化。
翌12日。まだ本調子ではなかったが、今までで一番快調。ノドの出来物は相変わらずいる。本日は絶対に工房でやらなければならない 作業があった。明日納品の作業だ。これが寝てる間中、ずーっと気になっていた。なんとか間に合いそうだ。21時まで作業。 久々に全日(フルタイム)労働した。さすがに疲れた。
そしてようやく本日13日。いつもお世話になっている 『でく工房』  に納品。間に合った〜。ギリギリになってしまいすいませんでした。
しかし、今回はまいった。実に1年半ぶりに寝込んだのではないだろうか?しかもかなりの重症。症状も盛りだくさん。 なんだったのだろう?
写真は『でく工房』の皆さんです。珍しく全員いたので記念撮影。エミチビもいるね。

●2006年4月4日 家具屋冥利ぶらこーじ

青梅のお宅に打合せに行った。以前 <電送機台>を注文してくれたお宅である。今回は同じ雰囲気の<書棚>をご注文いただいた。ありがとうございます!
作り手にとって、同じお客様から再注文される事ほどうれしい事はない。初回はお客様にとって多少「冒険」があると思う。 出来上がった製品が期待以上であれば「普通」、期待以下であれば「やはりね」という評価になるだろう。「やはりね」と思われる事は 非常に辛い。その不安を再注文という形で払拭してくれるのだ。物作りをしてて良かったとしみじみ思う瞬間である。
<電送機台>はカシュー漆のテカリもすっかり落ち着き、柿渋による褐色に一段と磨きがかかりいい具合になっていた。 次回作<書棚>も最初は先輩の落ち着きにはかなわないかもしれないが、すぐ大御所の仲間入りをするだろう。がんばります!

●2006年4月1日 新生『エミケン』

4月1日を持ちまして 注文家具工房 『エミケン』 と屋号を改称いたしました。厳しい注文家具業界の中で勝ち残るには、 屋号からして明確でなければならないと考えたからです。もちろん「エミ部門」はしっかり残ります。「注文家具屋の中の革布部門」 という位置です。新生『エミケン』を今後もどうぞよろしくお願いいたします。


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