文月
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●2008年7月30日 仕事は道具
今日、丸ノコを使って作業をしていた。このマキタ製丸ノコ、工房を始めた頃、訓練校の恩師にもらった物で、中古の古〜い型。 しかし丸ノコなんてのは今も昔も構造はまったく同じ。逆に昔のものの方が頑丈なくらいだ。今までなんの不具合もなかった。
しかし今日の作業はちょっと正確を要する内容で、作業していてどうしてもコンマ5の精度が出せない。「これがキミの限界なんだね。 仕方ない。よくがんばった!」とねぎらいつつも、やはり困る。急遽、丸ノコを買いに出かけた。常々新しいのが欲しいと思っていた ので、いい機会だった。
そして買ったのが 「日立造作丸のこC7UB4」 。結局この日は帰りが遅くなってしまったので、新顔の威力を試すことは 出来なかった。しかし新しい機械ってのは嬉しいね。タイゾーが新しいおもちゃを買ってもらうと、嬉しくてテレビ部屋にも 布団の中にも持っていくように、ワシも食事時にいじっていたらエミさんに怒られました。

●2008年7月27日 アド街 登場!

本日 「出没!アド街ック天国」 が放送された。 朝、町内放送でもこの旨が伝えられたので、奥多摩町民は皆テレビの前で楽しんでいたことだろう。我家も21時に家族全員 テレビ部屋に集合。普段ほとんどテレビをみないワシとエミさん。そのワシとエミさんが揃ってテレビ部屋にいることがタイゾーには 嬉しいようだった。
順位は聞かされていなかったので本当にドキドキしながら見てた。知った顔もたくさん出てくる。「あ!ソラくんのおじいちゃん!!」 とタイゾーも大喜び。そしてエミケンは「14位、奥多摩アーティスト」として登場!こそばゆいですな。でもなかなか上位。 タイゾー狂喜乱舞。「ちゃぶだいのっちゃいけないんだよね!」と的確なのかそうでないのか解らないコメント。 たっぷりたのしませてもらいました。
翌日、町内はこの話題でもちきりだったのは言うまでもありません。保育園では子供たちが「タイゾーくんのパパー!テレビみたよー!」 と。ちょっとした人気者。さて注文が増えるかどうか!

●2008年7月25日 ウォールナット到着

またウォールナットを0.9立米、約30万円分購入。ウォールナット、減りが早いですな。やはり魅力的な材料だ。ますます好きになって くる。好きになるとお客様にも勧めてしまう。ただ、とても良し悪しの激しい材料で、かなり使えない部分もある。木取りの段階で とても気を使う材料なのだ。
それを解決する方法が最近ようやくわかった。「ケチらない」。これに尽きますな。だから、手持ちの材は多いほどいい。 木っ端も他の材に比べたくさん出てしまうが、雑木(ぞうき)として使ったり、小物を作ったり、なるべくゴミにしないようにしている。 どんなに小さい木材も財産ですからな。それに自然からの賜物でもある。無駄にはできません。
最後はエミケンのお店の薪ストーブで、皆さんに暖を提供するのに役立ってくれます。木材万歳!

●2008年7月24日 ユウスケ 来城

日原の ユウスケ が来てくれた。もちろん一人で来たわけではない。アッコちゃんと一緒に。
去年の12月に生まれたからリュウゾーとはほぼ半年違い。こんなにデカくなってしまうんだねぇ。もうすでに自在に這いずり回るし。 移動もせず、寝たきりで、イルカみたいに「キェー!」とか叫んでいるのも今だけなんだな。楽しんでおこう。
ユウスケ。リュウゾーももうすぐ参戦するので、その時はみっちり揉んでやってくれ。頼んだぞ。

●2008年7月22日 取材

面白いところから取材が来た。相模原の「相陽建設梶vが月一回発行している冊子  「SOYO風」 。 お話を聞くと、新しいことにどんどん挑戦し発信する会社だということがわかる。楽しそうな会社だ。 エミケンも見習わせていただきます。
遠路ありがとうございました。

●2008年7月21日 食卓打合せ

<カツラ食卓>の打合せにお客様が川崎から見えた。実はカヌーの友人、ブンちゃん。最近は山チャリ(業界ではなんと言うか知らない) にはまってるようで。毎週のように奥多摩方面に来ている。もうカヌーはやらないそうなので、カナディアンカヌーとワイルド艇 をワシにくれた。(ウソ。貸してくれた)
奥様ノリコさんは9月に出産予定の身重。遠路お疲れ様でした。いよいよお腹が張るというのでくれぐれもお大事に。 妊婦さんがいると、とたんに場の空気が柔らかくなる。絶対に何か気が出ているに違いない。ノリコさんは性別知っているそうなのだが、 ブンちゃんは聞かないとか。変なオトコ。ワシとエミさんの予想、ずばり女子!この予想は罪のない幸せな予想だからね。 外れてもいいのだ。答えを知っているのはノリコさんだけ。この立場で日々ブンちゃんをいじめているとか。 「あ〜あ、そんな色の服、女の子に似合うかなぁ?」とか・・。嗚呼、これを幸せと言わずなんと言う。
もうひといき。がんばってください!
とかいのおみやげ、ありがとうな。うれしいじょ!(タイゾー)

●2008年7月20日 親族来城

ワシの中で今日は「海の日」。ワシはやっぱり「海の日」は7月20日がいい。もとは「海の記念日」。明治天皇が汽船での 東北巡幸を終え、横浜港へ帰港したのがこの日。ちゃんと意味があるのだ。「体育の日」は10月10日がいい。ちゃんと意味があるから。 あと何の日があったかな?とにかくやたら滅多ら祝日を日曜日にくっつけるのは味気ない。あの、週の真ん中にポコンと祝日がある喜び。 いいと思うんだけどね。
今日はワシに似たような顔がたくさん集まりました。

●2008年7月19日 かっちゃん ご来城

のぺ子の友人、やはりこの春飯能の職業訓練校を卒業して、木工所で修行中の かっちゃん が遊びに来てくれた。 もちろん将来は 独立!。だよなぁ〜。早くやりたいよなぁ。分かるよ。でも今の木工所で得られることは計り知れない。 ワシの失敗を教訓に、是非勤め上げてください。え?ワシが何を失敗したかって?ヒ・ミ・ツです。
彼はかなりマメなオトコと見た。日々の出来事をブログに書いている。→  「sightworks-修行中-」  このマメさは絶対木工に向いている。
ワシもまだ工房を立ち上げる前、何から手をつけてよいやら途方に暮れていた頃、とにかく家具工房を訪ねてみよう、とある工房を 訪ねたことがある。今思えば、客でもない人間ににいつまでも的を得ない話をされ、さぞかしウザかったのだろう。 仕事も忙しかったのか?ワシに対し終始人を見下した態度をとり、最後には「そんな甘い考えじゃ木工ムリだよ」とまで言われた。
間違いなくあの一言がワシを前向きにさせた。だから今では彼に感謝している。ワシは前向きに自分の夢に向かっている人間に対しては、 絶対水を注さない。無理かどうかなんてやってみりゃー分かる。やってみて無理と分かれば満足も納得もいく。 いや、覚悟が決まってれば無理が通る。
かっちゃんがんばれ!

●2008年7月18日 板接ぎ(いたはぎ)

現在複数製品に着手しております。若干頭がこんがらがってきた。段取り良くこなしていかないと「どれも間に合わなく」なってしまう。 「頭は生きているうちに使え!」 ワシの好きな言葉のひとつ。
今日は 「板接ぎ(いたはぎ)の日」 にした。ローキャビネット、テーブル(・・外来語ご容赦)等々、 幅広の板が必要になってくる。家具製作を開始して「木取り」の次に行なうのがこの「板接ぎ」。接ぎ方ひとつで表情の全く違う 板材が出来上がってしまう。なかなか頭を使う作業だ。見た目の悪い部分は完成時に見えない場所になるように、接いだ部分が ごく自然に見えるように・・・。
この作業で大量に使う道具が クランプ 。家具作りでクランプを使う場面は大抵「接着」を伴う。つまり時間との勝負なのだ。 焦りがちになってしまうが、しっかり手順を考え、落ち着いて作業しなければいけない。しかし稀に「クランプが足りない!!」などと いう事がある。これは焦る。こうならないために「しっかり手順を考え」たはずなのだが、やはりまだまだ未熟。こんなことがあるのだ。 だからクランプはいくつあってもいい。しかし安くないんだよね。
木工・・カネかかります。

●2008年7月17日 こっち方面

先月の<郵便受け>製作以来、「こっち」方面 (「日報」6月4日参照)が楽しくて仕方ない。 「図面をビシッ!と描いていかに寸分の狂いなく加工するか」とは真逆の作業。手書きの絵を糸鋸で切り出す。下書きにとらわれ ギクシャク切り出した輪郭より、ためらいなくのびのびと切り出した輪郭のほうが断然美しい。だから多少下書きから外れようと 気にしない。これが楽しい。
写真にはないが、最近木っ端を使って「木の器」を空き時間に作っている。ひたすらノミで木を削る作業。図面はない。 これが楽しい。
そもそもワシはナイフで木を削って木刀を作るとか、ネズミを作るとか、そんなことが好きで木工をはじめたんだよな。 それを久々に思い出したような気がする。原点ってやつですな。重さや長さにも原器があるように、生き方にも原器があるんだな。 たまにこの原器を引っ張り出して調整してやる必要があるんだろうな。
もちろん「図面をビシッ!」も大好きである。

●2008年7月13日 父ちゃん日

生後1ヶ月経ったリュウゾー。ぼちぼち表に連れ出せるようになったので、今日の父ちゃん日は一家四人(うーん、いい響き) で遊山(ピクニック)に出かけた。四人で出かけるのは初めてだな。感無量。
こう暑いと奥多摩から出たくないのだが、たまには違う場所にも行きたい。飯能の あけぼの公園 に行った。 別名「ムーミン公園」。森の中に実寸のムーミンの家が作ってある。実にかわいい。「こりゃぁタイゾーも喜ぶべ」と思ったが、 入るなり「こわい」と泣き出した。チャンチャン。
タイゾーにとっては森の中でシャボン玉飛ばしてるほうが楽しいようだ。奥多摩でもいいじゃん。でもワシとエミさんにとっては しみじみ楽しかった。「どこかに行って弁当を広げる」ってのがとても幸せなのだ。家族っていいなぁ、としみじみ噛み締めるひととき なのである。あまりに幸せでワシはすっかり惰眠をむさぼってしまった。絵に描いたような「休日のお父さん」。 当たり前でささやかな事がこんなにも楽しいんだねぇ。

●2008年7月5日 タイリュウ

リュウゾーもこの世に出てきて三週間。相変わらず、ノムネルナクの繰り返し。しかし最近泣き声がデカクなってきた。 自己主張しはじめた。今までは乳が飲みたくて泣いても、気に障らないような環境音楽のような、心地よい(聞く側にとって) 泣き声だった。そして兄タイゾーの最近磨きがかかってきたバカはしゃぎっぷりのせいで、そんな声もかき消されていた。 だからエミさんもどうしても優先順位を後ろにしがちだった。タイゾーのときはちょっとでも泣けばすかさず飛んで行ったのにね。 「これじゃイカン!」と感じたのかね?なかなか迫力のある泣き方になってきた。しっかり耳に障る。生きる知恵ですな。 弟はこうやって逞しくなるんですな。
※写真上:新生児のこの構図が一番好き
※写真下:バカタイ

●2008年7月1日 下界へ

久々に真面目な目的で下界へ行く。今日は のぺ子 が付き合ってくれた。
4月から埼玉の家具工房で働く彼女。益々”木工馬鹿”まっしぐら。かつてのワシを思い出す。今もしかしたら木工熱では彼女に かなわないかもしれない。だから話をしてても面白い。かつての彼女とは全然違う。もう覚悟が全然違う。 ワシのことを羨望のまなざしで見ているのがありありと分かる。ワシ的には「そんな羨むほどの境地ではないよ」と気恥ずかしいのだが、 彼女の立場に立てばそんなことはない。以前のワシもそうだった。 「自分の工房を持ち、機械が一式揃い、とりあえず何でも作れる環境」にどんなに憧れていたことか。憧れどころではない、切望、 渇望、熱望、、、。ワシにはそれが今ある。この境遇を当たり前だと思ってはいけない。感謝感謝。
さてまず行ったのは新宿OZONEで開催中、  「暮らしの中の木の椅子展」 。隔年開催、今回で6回目。 すでに木工界では知らぬ者はいない展示会になっている。ここで入選すれば、とりあえず木工界ではちょっと名が売れる。 最優秀にでもなれば大手からの商品化も夢ではない。柳宗理、ウェグナーと同じ売り場で売られたりするのだ。
ワシはまだ応募すらしていない。かっこよく言えば「機が熟していない」「出す時は入選の自信があるとき!」。のぺ子は今回 応募し見事落選(言っちゃった)。いいのいいの、出した者勝ちだから。出しもしないであーだこーだ言うヤツ(ワシ?) が一番さもしい。
入選作品はやはり完成度が高い。懲りすぎてる感もあるが美しい。椅子は実用性以上に意匠が重視される、というか、美しければ 座り心地もいいのだ。まさに機能美。ワシは「作業効率」や「原価」など気にしながら眺めてしまう。それに対しのぺ子は 「こんなの作りたい!」「こんなの自分に思いつかない!」「こんなの作れるかな!」「はやく自分の工房欲しい!!!」 とビックリマークだらけでたいそう刺激を受けっぱなし。ああ、以前のワシだ。がんばろうな!
次に行ったのが恵比寿にある 東京都写真美術館 。現在開催中の  「世界報道写真展2008」 。 これはここでつらつら言葉で語れるものではない。なにせプロが命をかけて映像に残してきたものばかりだから。実際に 命と引き換えの映像もある。ミャンマーで亡くなった 長井健司さん は記憶に新しい。
自分に子供がいる立場でこういうものを見ると、また激しく胸に迫るものがある。写真を見ながらいつしか「いかん」という言葉 が頭をぐるぐるしていた。是非皆さんも見ることを強くお勧めします。
写真は「その後恵比寿ガーデンプレイスでビールを飲む之図」。今の日本に住んでいることをワシはきっと人並み以上に感謝して いるが、今日はまた格別感謝したくなった。だから飲むのだ。いいのだ。



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