如月
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2010年2月26日 木馬 発送
木馬を発送した。どんな子供が使ってくれるんだろう?そう言えばだいぶ前、モンゴルに旅立っていった木馬はどうなったろう? あの赤ちゃんはもうタイゾーより大きいよな。1歳7ヶ月なった我家のリュウゾーも今丁度 「木馬期」 。 一人で木馬によじ登り得意になって揺らしている。

木馬はほんの短い期間しか遊べないぜいたく品だけど、こういう姿を見ると与えてもいいかなぁ、と思う。できたらいい物を。 宣伝じゃないよ、別に。そして子供たちが使わなくなり、手垢とヨダレで薄汚れツヤが出た木馬はいつか親の慰み物になる。
「あー、今じゃこんなニキビ面でヒゲ面の倅も、これに乗って遊んでたっけなぁ」と。

いい仕事して来いよ。

2010年2月25日 エミケン掲載本 発売
扶桑社から発売の 『real furniture ともに暮らす家具、そのつくり手たち』 にエミケンが登場いたします。 『住まいの設計』で連載された「家具が生まれる瞬間」の再編集版です。「TRUCK」や「STANDARD TRADE」など錚錚たる 家具作家26名に混ざっての登場です。ちょっとこそばゆくもあり感慨深くもあり。。

是非ご覧下さい。

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2010年2月24日 出稼ぎ 九日目
作業最終日 天気:晴

●廃材切断
●後片付け

午前中胃の検査をしに病院へ。エコーはヌリュヌリュのゼリーを腹に塗って撫で回しでくれて気持ち良かった。胃カメラは噂にたがわず 苦しかった。でもボク泣かなかったよ!ライブで腹の中を覗くってのは患者にとっても分かりやすくていい。医者も嘘をつけないだろう。 ワシが見てもきれいな胃袋でした。結果は異常なし。エコーの結果は後日なのでまた来なければいけないが、 一度やっておけばかなり安心。よかりけり。

昼前に現場に行き、きれいに後片付け。施主さんにも喜んでいただき本当に良かった。この度はありがとうございました。

予定より早い時間に終わったので、エミさん実家に寄り、そのまま奥多摩へ。19時前着。

普段、室内で陽にも当たらず一人細かい仕事をしてるので、たまには屋外でダイナミックに作業するのは気持ちがいい。 楽しい毎日だった。毎日天気を心配するってのも新鮮。年に一、二回こんな仕事したいなぁ。

2010年2月23日 出稼ぎ 八日目
作業七日目 天気:晴

●柵完成
●階段完成
●廃材切断(一部)

ウッドデッキ、出来上がりました!家具屋さんが作ったウッドデッキ。蕎麦屋さんのカツ丼みたいに見えないところでこだわっています。 というか大工的手の抜き方を知らない。良い加減が分からない。大工さんならもっと早く作れちゃうんだろうな。

あとは解体した廃材を短く切断して、持って帰れる物は持って帰り、無理なものは地元の業者さんへ。

昼飯時、お宅のテレビを拝借し、連日オリンピック観賞。競技によっては作業を中断して応援。寛大な施主さんに感謝。 まおちゃん素晴らしい!キム・ヨナも凄い!好敵手と呼ぶにふさわしい二人。こんな相手が同時期にいることの幸せ。いいっ!

2010年2月22日 出稼ぎ 七日目
作業六日目 天気:晴

●床貼り完了
●柵製作(一部)

いいねぇ。かなりいい!なんだかワシもウッドデッキ欲しくなってきた。

2010年2月21日 出稼ぎ 六日目
日曜なので作業はお休み。実は先月から不快だった胃袋がここにきてまた結構な不快感を示してきてので、午前中病院に 行ってみる。なんでも有名なお医者の先生がいるという病院が近所にあるらしい。都会はホント便利ですな。 日曜だったので検査は出来ず。今度の水曜日に胃カメラとエコーの検査の予約を入れて帰宅。ウォゥ!胃カメラ初体験!!

その後、甥っ子姪っ子も来たので近所の公園で遊ぶ。都会のサラリーマンのお父さんっぽい!ウォゥ!!

2010年2月20日 出稼ぎ 五日目
作業五日目 天気:晴

●枠完成
●枠と柱の固定完了
●ジャリ追加
●手すり用柱取り付け
●床板貼り(一部)

だいぶ見えてきた。こうなると楽しい。気が急く。しかし平常心で一つ一つの作業を確認しながら丁寧に。調子に乗ってサクサク 進んでる時こそ指差し確認。とんでもない間違いでもしてたら、その何倍もの時間かけて戻らなければならない。

しかし下界は晴れると暑い。Tシャツ持ってこなかったのが悔やまれる。

2010年2月19日 出稼ぎ 四日目
作業四日目 天気:晴

●枠作り(一部)
●基礎柱作り
●枠水平出し
●枠と柱固定(一部)

下ごしらえも終わり今日から一人で作業。ワシのウッドデッキの作り方は

@大きな枠を作って
Aそれを希望の高さまで水平を出して持ち上げ
B柱で固定し
C床板を貼り
D手すりを付けて
E完成!

簡単でしょ。みなさんも是非挑戦してください。

2010年2月18日 出稼ぎ 三日目
作業三日目 天気:雪のち晴

●ジャリ購入
●木材乾燥(濡れたので)
●整地
●ジャリ敷き
●庭木一部撤去

朝起きるとまさかの雪。塗装したての木材が心配だったが、油性塗料だったので既に乾いていて撥水性を発揮していた。 取扱いが楽だし種類も豊富になってきたので最近水性を使うことが増えたが、屋外作業ではやはり油性ですな。

午後には晴れてきたのでホームセンターで砂利を購入してから出勤。千葉埼玉のホームセンターはとにかく規模がでかいし、 あちこちにある。便利だ。

今回はウッドデッキの下にジャリを敷き詰める。今まで夏になると雑草が繁茂し、それがやはりデッキの痛みを早めていたと思う。 見た目も明るくなってよろしい。

2010年2月17日 出稼ぎ 二日目
作業二日目 天気:曇

●一部庭木撤去
●木材塗装

材料は最初に全て塗装しておくと楽。後で長さに切って使うので木口は塗らなくてもよろし。もちろん最後に地肌が出ているところは 塗ります。二人でたっぷり一日かかった。大道具出身のエミさん、こういう仕事させるとイキイキしてるね。

2010年2月16日 出稼ぎ 一日目
千葉県柏市のお宅のウッドデッキを作るため、今日からしばらく出稼ぎ。エミさん実家から車で20分程の現場なのでお世話になる。 作業ではエミさんにも手伝ってもらわなくてはいけないので一家で帰省。正月の帰省よりも長く厄介になってしまう。 感謝です。

初日の作業。まずは 古いウッドデッキの解体 。作って8年程ということだがひどい痛みっぷりである。 材料は一番安いSPF材。防腐塗料も上の見えるところだけ。使っているネジもステンレスと鉄が混在。長さも混在。どう見ても 手持ちの余ってるネジを使ってる感じ。仕舞いには手持ちのネジがなくなったか、釘を使ってる場面も。

よく国宝級建築の大修理などで職人さんが「古の職人と会話をしているよう」とか「昔の職人の妥協を許さない心意気を感じる」とか 「将来の職人に見られても恥ずかしくない仕事をしたい」などと言ってるが、まさにその逆。「人の振り見て我が振りなおせ」 。ワシも後々の職人に見られたとき恥ずかしくない仕事をしようと強く思った。

解体作業というのは本当に地味で手間のかかる作業。何もない場所にものを作るのは簡単なこと。作る場所を作る、下ごしらえの作業が 一番厄介。しかし丁寧にやっておけば後の仕事が楽になるので手は抜けない。こういう時、手はいくらあってもいいので エミさんがいると実に助かる。

夕方、発注していた木材が到着。今回は耐侯性に優れるウエスタンレッドシダーを使用。無塗装でも屋外で20年は持つ。 まめに塗装をすればもっともつ。そうは言ってもなかなかやらないのが人情。そこはエミケンが責任を持って半年に一度伺って 塗装をいたします。素晴らしい!

2010年2月15日 取材
ムックの取材を受けました。 「ムック」 ってそう言えばなんだべ?と思い調べたら、なんと
 「 magazine と book の合成語」 だそう。びっくり。 「編集の仕方や体裁が雑誌と書籍の中間であるような出版物(広辞苑)」。なーるほど。

『手に職をつけるためのガイドBOOK〔仮〕』
日本実業出版社(エスカルゴムックシリーズ)

3月18日 全国書店にて発売予定です。是非ご覧下さい。

2010年2月14日 また雪
また。雪が降った。前回よりもちょっと多めですな。しかし水上でMAXを知ってしまったので、これくらいでは心ときめかない。 心はいつも水上のあの極上豪雪。久しく封印していたスキーを先日やってしまったので、毎日「やりたい病」に襲われてつらい。 ワシ愛用のスキー用具たちも去る大洪水で流されてしまったし、、、。冬の富士山から滑降した相棒、、、。 あーあ、思い出しちゃった。

これからやりゃーいい。なんつったって子供と一緒にできるようになったのがこの上なく嬉しい。コツコツまた道具揃ええよう。

2010年2月13日 人形台 製作中
木馬と並行して <人形台> 製作中。雛人形と鎧兜を飾るための台なので、もう納品しなければいけない。雛人形時は高く、 鎧兜時は低く、と、脚を変えて二通りの高さに出来る。

写真は天板の裏。反り防止のための 「吸い付き桟」 という部品を差し込んでいるところ。天板側の溝と吸い付き桟のレール の加工精度が命。きつすぎれば入らない、緩ければ役不足。しかしネジ釘を使うよりも数倍強固な反り防止性能を発揮する。 先人の知恵ですな。

2010年2月11日 木馬 製作中
現在 <木馬> 製作中。久しぶりである。久しぶりだけど手が早くなったようだ。かと言ってもちろん手を抜いているわけではない。 無駄な動作が減ったんだろうな。

カヌーでも、練習を続けて、ちょっと間を置いて久しぶりにやった時に「ん?なんか良くなってる」と感じる時がある。脳科学者の茂木 健一郎氏が以前そんなようなことを言ってた気がする。「考えに考え抜いた末寝ると、翌朝整理されていいアイデアが出る」みたいなことを。 関係あるだろうか?

木馬、あとは目玉と持ち手を付けて完成。 「画龍点睛」 。馬が生きるも死ぬも、目ン玉にかかっている。

2010年2月7日 キタヤマ家行
行ってきました。水上の キタヤマ家 。まず結論。「雪国暮らしは半端な覚悟じゃ出来ません」

5日、金曜日朝、奥多摩発。関越水上インターを下りてしばらくは道路に雪もなく快適。「夏タイヤでもいいじゃん」。 しかし峠を越えて藤原地区に入ると一変。道路脇の雪壁が高くなる。更にキタヤマ家近辺は道路にも雪が残る。

昼前、水上ホテルへスキーをしに行く。山の上にあるので雪は更に深くなる。タイゾー初スキー。ワシ9年ぶり。 ミチカちゃんは何を隠そうスキーのイントラ。タイゾー中心に個人レッスンを受ける。ありがたし。タイゾーもなかなか上手く滑れた。 自分でも「タイゾー君、スキーうまいよ」と自信をつけたよう。スポーツはなんでも最初は自信が大事。

午後になると吹雪いてきたので早めに撤収。スキーの後のビールは格別!

翌日、車が雪に埋まっていた。イクト君は朝早くから除雪作業。自家用除雪機を持っているが絶対必要。家の前から県道に出るまでの 道を除雪してくれた。相当大変な作業だ。今日は休日だからいいが、平日だって出勤前にやらなくてはいけない。うーむ。

道が出来たのでスキーへ出発。山はかなり荒れ模様。視界もなくなるような吹雪。それでも来たからにはスキーをする。 タイゾーも今日はもっと上手くなる、と意気込む。しかしホテルから一歩出たとたん強風にあおられ転倒。みるみる戦意消失。 で、リタイヤ。ワシ一人で滑れる。やった!イクト君はカズキと出陣。カズキは相当上手い。

しかしコース中盤でカズキ戦意消失。スキー脱いで大泣き。イクト困惑。カズキを背負って雪中行軍。吹雪さらに強くなる。 まるで八甲田山。2m前も見えない。ワシは悪いが一人で堪能させてもらう。しかし何度もコースを間違えてしまう。 しかしよくリフト動かすね。新雪と強風と寒さと迷走であっというまに疲れたのでわしも撤退。クロカン履いてバックカントリー だったら間違いなく遭難。というか今日は行かないな。

昼はホテルのランチバイキング、と思ったがガキどものテンションも低いし、大人もヘトヘト。こんな時は家でビールに限る。 ホテルの駐車場にとめた車はまた雪ダルマ。雪下ろしをして出発。天気ますます荒れ模様。目の前が全く見えなくなり、 車を停めて視界が戻るまで待つこと度々。視界が戻ると目の前に対向車がいたりしてヒヤリ。危険極まりない。

キタヤマ家に行く最後の上りでステ吉スタック。格闘の末なんとか脱出。這這の体で帰宅。いやー、ビールの美味い事!

翌朝、再び車は雪ダルマ。今朝は除雪車が来てくれたので道は大丈夫。車の雪を降ろして朝食。関越道が混む前に帰ろうと 11時頃キタヤマ家を後にする。

今回は5年ぶりの大雪とのことで、地元の人も音を上げていた。ワシらとしてはMAXを経験できたので、今後キタヤマ家に来るのは楽勝。 キタヤマ家の皆さま、おかげでとても楽しい雪国体験が出来ました。本当にありがとう。たまに行く分にはこの上なく楽しいですな。 春までもう少し。頑張って乗り切って下さい。

2010年2月3日 節分
昨日の晩からタイゾーが「明日保育園行きたくない!」と言い出した。今朝も行きたくないと大騒ぎ。鬼が来るからだそう。 無理やり連れて行き、保育園に入る前。
「タイゾー君、鬼が怖いけど怒らないでね、って先生に言って」

その旨先生に告げると、どうやら他の子もみんな今日はおかしいらしい。確かに先生にしがみついて泣いてる子もいる。 年長クラスでも、「鬼が来たら本棚に上ろう」とか「棚の後に隠れよう」とか作戦を練ってるらしい。彼らにとって今日は真剣そのもの 一大事な日なのだ。笑っちゃいけないが、しかし微笑ましくて顔がほころぶ。

保育園から帰ってきたタイゾー。親としては今日どうだったのか興味津々。しかし鬼について一言も言わない。聞いても答えない。 どうやら「なかったことにする作戦」のよう。あとで先生に聞いたが、タイゾーは鬼にさらわれ固まってしまったそう。 しかし気を取り直して我家でも夜、豆まきをして恵方巻を食った。

鬼は今の世でも健在なんだな。子供たちの中ではでは河童とオバケも健在。天狗も健在。自然の中で暮らしていると夜は怖いし、 川は怖いし、森も怖い。自然への畏敬や畏怖の念というものが体感できてるようで、それが鬼とか河童とかの存在を意識させるようだ。 鬼や河童も八百万の神のひとつなのかもしれない。子供にとって怖い存在があるのは、大人にとってとても便利。悪乗りしたくなるけど、 グッとこらえて「ここぞ」という時にだけ使わないといけない。いや、大人だって本当は自然の怖さを身近に感じていないと 痛い目に遭う。謙虚に謙虚に。

2010年2月2日 奥多摩、雪
奥多摩に雪が降った。山のてっぺんに朝陽が当たって美しい。またすぐ融けちゃうんだろうな。

2010年2月1日 男道
新田次郎「強力伝」 。

男とはなんぞや、の答えがここにある。男の強さ、男の優しさ、男の謙虚さ、男の友情、、、男の生き様はこうありたい。

強力(ごうりき)と言う単純明快な職業のなかに、人生を重ね合わせられる奥深い哲学が凝縮されているように思った。 一歩一歩足を前に出さないと頂上には着かない。下手な場所で気を抜くことは死につながる。突風に背を向けたとたん飛ばされる。

登山と言う要素が全てにおいて人生そのものなんだと思う。日常用語でも登山用語がを使うことがある。 「頂上を目指す」とか、「崖っぷち」とか、あとなんだ?「一服」というのは強力用語だそう。強力は本当に重い荷を背負っている時、 休憩で腰を降ろすと次に立ち上がることが出来ないらしい。だから荷の下に棒を一本入れて、立ったまま休むと言う。 これ自体人生哲学に当てはめられそうだが。そこから休憩のことを「一本とる」と言い、それが一服になったとか。

「強力伝」の主人公、小宮正一は実在した小宮山正と言う人。白馬岳の山頂にある風景指示板の重さ50貫、というから約180kgの巨岩を 担ぎ上げた人。結局この無理が遠縁になって2年後に亡くなったそうだが、ちょっと昔にこんな豪傑が日本にいたなんて嬉しくなる。 短い小説だが、ワシにとってまた新たな 「男道の教科書」 ができた。



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