水無月
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2010年6月30日 少年時代
父は子に、自分の少年時代にしたことを教えてやることしか出来ない。

それができるのは自分の父が自分にしてくれたから。

目の前で戯れる者、それを眺める者、時間がほんのひと世代繰り上がっただけ。

他にはなんにも変わらない。

父に感謝。

あの頃と変わらぬ場所があることに感謝。

2010年6月29日 梅干仕込み
梅干は(も)エミさん作がこの世で一番美味い!今年も南高梅10kgで梅干を作ってくれた。毎年その作業を見ているが、本当に手間のかかる作業だ。 奥多摩暮らしを始めた頃、一度だけシソの葉をもぐ手伝いをした事があったが、この作業ひとつとっても時間のかかる作業。梅のヘソみたいなのを竹串で 一個一個取ったり、、、。愛がなければやってられない。最大の味付は 「愛」 ですな。

写真は洗ってヘソを取ったものを乾かしているところ。この時の梅の香りと言ったら、それはそれは甘くて酸っぱくていいかほり。ひとつつまみたくなるところだが、 食ったが最後猛毒にやられて一巻の終わり。。。そんな猛毒のわけはない。でもピーピーくらいにはなるそう。

このようにそのまま食べると害のある素材が、先人の工夫と犠牲により極上の一品に産まれ変わったであろう例は数多い。そういうものに出会うといつも 「最初に食べた人はエライなぁ」とか「どれくらいの人が犠牲になったのかなぁ」などと思いをめぐらせ、そしてつくづく日本人の味覚センスの良さと、 食への飽くなき探究心に頭が下がる。多分に貧しさがその最大の原動力だったように思う。

いろんな人に感謝して食うべし。

2010年6月24日 三ちゃぶ
自分で言うのもなんだが美しい。塗装に手間をかけてるだあけはある。形も微妙なマイナーチェンジを繰り返してほぼ最終形にたどり着けたのではないだろうか。 こうなると作業も迷いがなくなり淡々と手が動く。その分手数が少なくなる。

絵など描いてて思うが、手をかければかけるほどヘンテコになっていく。実は最初の線が良かったりして。木の加工、もちろん塗装もそれと似たところがある。 作業中、先人の言葉 「良い加減」 が益々重みを増して頭の中で繰り返されることが増えた。

さて、今回のちゃぶ台週間。2台はご注文、1台はあるコンペ出品をにらんでの製作。コンペは現在書類審査中。一次審査が通れば現物による審査がある。 近日結果が発表される。果たして結果はいかに!

2010年6月23日 オカベ家
新しいお友達ができました。ご近所の オカベ家 です。 あの 鳩ノ巣・釜飯 をご夫婦で営んでおられます。 鳩ノ巣釜飯さんには「エミケン新緑祭り!」ではスタッフのお弁当でお世話になりました。個人的にも以前から何度か食べに行ったり、出前頼んだり、 美味しくて安いので度々利用させてもらっています。実はこの時出前をしてくれたのがタカコさん。保育園でよく顔を合わせていたので、「あれ!パートしてんの?」 「いえ、主人とやってます」という会話から大いに盛り上がり、今日に至った。

本日は定休日なのに釜飯をご馳走してくれた。休日に仕事させちゃってすいません。ご馳走様でした。やっぱり美味かったです。 今後ともどうぞよろしく〜。

2010年6月19日 能観賞
国立能楽堂 で能を観てきた。もちろん初体験である。「なんでまた?」と思われるかもしれないが、  「四十を過ぎたら能を観よ」 という諺に従ってみた。

そんな諺はありません。エミさんの友人の父上が能楽師と言うことは以前から聞いていた。そしてこの度友人の息子(小二)が舞台に立つということで、 招待状をいただいた。初舞台ではないそう。能、狂言、歌舞伎などの伝統芸能には大変興味はあるものの、脚を運ぶに至っていない。今回は本当に有り難い機会を いただけた。

会場で話の筋とセリフが書かれた用紙をもらい、これを見ながら観賞する。この用紙が大いに役に立った。今回は全く理解不能だろうと思われていたし、 「絵や彫刻を観賞するようなつもりで」と友人にも言われていたので、まぁ自分流に観賞するか、と思っていた。しかし筋はすこぶる簡単、セリフも驚くほど少ない。 どうして50分、90分もかかるかと思ったが、セリフを語るその速度の遅さといったら。だから理解するのは容易だった。 そしてその合間合間に演奏や地謡といったコーラスが入る。独特の抑揚を持った語り方と古(いにしえ)の優雅な言葉使い、鼓や笛、地謡、 それらも含め全てが演奏なんだと理解した。そしてその豪華で誇張した衣装により目も楽しませてくれる。

退屈と言うことは全くなかった。流石長きにわたって続いている伝統芸能だけあり、客を楽しませるコツは押さえていると感じた。瞬時に日常とは別世界の 優雅で豊かで悠久な世界にいざなってくれる。長い時間が無駄の一切をそぎ落とし、必要不可欠な要素だけが残ったのだろう、そのおかげで観賞者はそれぞれの想像力を フルに発揮する楽しみが得られる。これが大変心地よい。外国人もちらほら見かけたが恐らく楽しめていると思う。我々がクラッシックやオペラを観賞する のと全く同じ。このような感懐を持てたことだけでも大収穫だ。

潔さと豊かさが同時に存在できるという大発見、いや再確認。いきなり次元を下げるようだが、ワシも家具作りに於いて心がけることは、質実剛健、単純明快。 そしてその中から醸し出される豊かさ、というところを目指している。普段このように言葉に表しているわけではないが、能を見て再確認できた気がした。

能は人それぞれの生い立ち、立場でどうとでも受け止められる、懐の深い、世界に誇れる素晴らしい芸術作品であった。遅ればせながら目覚めさせてもらい本当に 感謝しております。 「四十を過ぎたら能を観よ」 。あながちでっち上げとも言えない。

2010年6月15日 ケンタイタイエミタイエミケン、リュウリュウリュウケン
なんとなくこの光景は写真に収めておかなければと思った。いずれタイゾーもリュウゾーもワシよりでかいTシャツを着ることになるだろう。 そうなりゃ洗濯物で外の風景なんか見えなくなるだろうし、下手したら物干し竿折れるかもしれない。こんな可愛らしいのがヒラヒラしてるのなんざ、 今だけだよな。

2010年6月13日 ヒラコウチ家 ご来城
あの ヒラコウチ家 がまた来てくれた。(「日報」2010年4月25日 参照)

昨日の夕方来て、また極上自ビールにて乾杯。今回は小麦で作った新作。ビールの概念が変わる甘い香りと豊かなコク。まいったね。もう中毒です。 今日は朝から夢想しっぱなし。「あとナン時間で 「ヒラヒラエール」 が飲める〜」と。いかん、手が震えてきた。。。

そしてこの 「遊べる勤め人」 は今回もいろいろ持ってきた。まずは 天体望遠鏡 。直径30cmはあったね。なんでも今晩は新月?とかで星がよく 見えるらしい。そこで日が暮れてから奥多摩霊園に行った。昼は好んでよく遊びに行くが夜は初めて。街灯もその他明かりも一切なく、空は広い。 予想通り極上の天体観測スポットだった。ここがあまりに暗いので気付いたが、東の空がやけに明るい。なんと都会の明かり。八王子とか立川の明かりだね。 驚くほどの明るさ。エネルギー使いすぎ。

「見えた」と望遠鏡で探し出してくれたのは 土星 。なんと輪っかも見える。その輪っかが本体に落とす影までも。さらには周りのケシ粒のような衛星までも。 エミさん人生初。気分はガリレオ。そんなに驚くか?と言うほど驚いていた。ヒラコウチありがとう。タイゾーはと言うと、ワシの前説「星が浮き袋して泳いでるんだぞ」 から膨らませた想像と実際があまりに違っていたのか、速攻で興味霧散。クソッ、望遠鏡の前に絵でも貼っておきゃよかった。

そしてなんとワシの30年物のお宝、 HONNDA XL250S まで直してくれた。大事にしすぎて全然乗っていなかったら5年前エンジンが全くかからなくなった。 いつか救世主が現れるだろうと信じて、外面だけはピカピカに磨いていた。そしてとうとう救世主が現れた。23インチタイヤという世の中ではもうコイツしか履いてない タイヤも、ヒビが入ってるからと交換してくれた。問屋に問い合わせて買ってきてくれた。なんと言っていいやら。感謝!

この恩はヒラコウチの子供に返すしかない、と翌日は「エミケンカヌー教室 VIPコース」開催。白丸湖で二時間ほど練習したが、さすが子供。 あっという間に上手くなった。ヒラコウチも大人にしては飲み込みが早い。タクミ(中1)とマイちゃん(小4)は今シーズン中に川下りできるまでに仕立てたい。 間をあまり空けないほうがいいのでまた近いうちに来るべし。

今回もとても楽しい二日間でした。ありがとう。

2010年6月12日 工房体験
久々に 工房体験 を開催した。やはり楽しい。今回は定員を10名程といつもより減らしてみた。より自分が楽しみたいという気持ちの現れです。 エミケン祭りもそうだが、こういう定期的に開催する催事は主催者、関係者が楽しくなければ長続きしない、というのがワシの持論。自分に対してだって 負担をかけすぎては長続きしないのです。甘ちょろいと言われてもいいんです。続けた者勝ちです。

今回参加していただいた方も皆さんとても個性炸裂な方ばかり。刺激をたくさんいただきました。ありがとうございました。また面白い企画考えまーす。

詳細→ [コチラ]

2010年6月11日 リュウゾー 二歳
ケーキはどんな意匠にするかエミさんと会議を開き話し合った結果、 「新幹線」 に決まった。ワシは中央線を推したが結局新幹線になった。

最近リュウゾーはやたら電車に反応する。奥多摩駅周辺で数少ない電車をたまたま見たときはもちろん、線路を見ただけでも、挙句の果てにはバスを見ても 「デンシャ!」と腹式呼吸で驚くほど明瞭に叫ぶ。「おい、どこに電車いるんだよ」と言っても、数回腹式呼吸で叫び続ける。

最大の懸念事項はリュウゾーがこれを見て「デンシャ!」と叫んでくれるかどうかだ。ワシは完成品を見てあまりの素晴らしい出来に「これなら大丈夫だろう!」と 思ったが、バスも「デンシャ!」だからね。

エミさんいたたまれなくて、ワシがご開帳した。リュウゾー開口一番 「デンシャ!!」 といつもどおりのリアクション。よくやった! これで今年一年我家は安泰だ。

おめでとう。

2010年6月9日 英才教育
滅多に見ない民放テレビをつけたらたまたまやっていた番組にて。

「有名私立中学に行った子供の家庭ナン十パーセントには、落書きコーナーがある」

有名私立中学に入れる経済的余裕はないが、この考えには共感できるし、したいと思っていた。我家の冷蔵庫の裏が実際そんなコーナーになっているが、 大人の高さ。大人のための忙記帖兼メモ貼りコーナーにはなっている。早速ワシが使っているホワイトボードを供出し、子供落書きコーナーを作った。

すぐハエがたかってきた。タイゾーが陣取り夢中で絵を描いている。リュウゾーは兄に言いくるめられ粘土をいじっている。

作品:「たこちゃん」と「たこかに」

いいんじゃなーい。

2010年6月6日 父ちゃん日
昨日頑張っちゃったから、今日は体力温存モードで父ちゃん日。

午前中は近所の 「海沢ふれあい農園」 で行なわれた 「ひつじ毛狩りショー」 を見学にいく。地元の持て余し気味の主婦たちが子供を連れて見に来ていた。 子供たちはと言うと、毛狩りショーなど30秒で飽きて、速攻で子供同士で子犬のように走り回っていた。なーにが楽しいんだろうか。 広い場所に来ると自然に走り回るように出来ているんだな。でも主婦たちの最大の目標 「ガキを消耗させる」 は達成される。

この羊たちは奥多摩のもっと奥地、峰谷で育てられている。そしてその毛は地元の 「山染房」(さんせんぼう) という工房でいろいろな製品となっている。 とても奥多摩らしい特産品だと思うのだが、いまひとつ知名度が低い。あ、今度のエミケン祭りにお誘いしてみよう!

さて、午後はどうしよう?あわよくばワシはこれで放免となり、惰眠でもむさぼれればいいが。と思ったのもつかの間、川が騒がしい。 オオタさん、クドゥ氏率いるカヌースクールご一行様が楽しそうに遊んでいる。懐かしい顔ぶれもちらほら。こうなるとワシはそわそわ。タイリュウ連れて川へ下りる。 瞬く間に二人とも真っ裸。いい季節になった。ひとしきり遊ばせすっかり身体が冷え切ったところで撤収命令。さすがにまだ川の水は冷たい。

子供はエミさんにまかせ、ワシは再びカヌーのお友達のところへ。

ワシ:「いれーてー!」

クドゥ:「いいよー!」

いい休日だった。

2010年6月5日 「奥多摩カップ」
結果!ジャンジャンジャン!

不惑の部 二位!!

総合でも 二位!!

ナカシマ氏強し!来年はこうはいきませんよ。学生、オヤジに負けるな!もっと頑張れ!!

皆さん応援ありがとう!!

2010年6月4日 明日は「奥多摩カップ」
ワシも出場します。 <不惑の部> という選ばれた者だけが出場できる枠です。皆さん応援しに来て下さい。

写真はコース中最も難所と思われる場所。水が少ないのでボートが可愛そう。こんな所でコケれば人間もかなり可愛そうな事になります。 つまり応援する側にとっては一番面白い場所。氷川城の真下です。是非どうぞ!

奥多摩ふれあいカヌーフェスティバル

2010年6月2日 エミと丹三郎
ちょっと時間ができたので、ご近所の蕎麦屋 丹三郎 に行って来た。 エミケン祭り、デザフェス等イベントとエミ部門大量受注納品完了の 打上げ です。エミさんは何度か行ったことがあったそうだが、ワシは初めて。 いつか行って見たいと思っていたのだが、近すぎて返って行けてなかった。

先日エミケン祭りの時にここのご主人 クロズミ氏 が訪ねてきてくれ話をすることが出来た。一言で言うと 渋いおっさん です。 この道30年の大職人は多くを語らず、少ない言葉の中にも重みがあるし、握手をしたその分厚いグローブのような手が全てを語っていると感じた。 声なんか声優になれるほどドスの聞いた重低音。一発でファンになった。

手入れの行き届いた重厚な藁葺き屋根の古い屋敷。入口の大きな門をくぐる前には襟を正し、背筋を伸ばさなければいけない雰囲気になる。玄関の床板はぴかぴかに 磨きこまれている。削りたての木材には到底出すことの出来ない深い艶と味。奥の座敷に通される。気分は茶会に招かれた剣客の気分。己から発するいかなる「気」 をも殺し、平静を装う。仕事着のニッカボッカで来てしまったことを若干悔いたがそんな気をも殺す。

座布団に腰を下ろし、漢文の書かれた掛け軸やふすま、床の間の活花などを半眼で見ぬでもなく見るでもなく。 そして出された 「天せいろ」 。この細い麺一本一本に氏の一刀が刻まれているかと思うと感慨深い。

「蕎麦は腹を満たすために食うにあらず。気を満たすものと見つけたり」

皆さんも是非一度脚を運んでみてください。



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